卵で心血管疾患のリスクが低下する!?卵と心筋梗塞との関連性は!?気になる疑問を解決します!


 

卵は、目玉焼き、ゆで卵、スクランブルエッグなど、さまざまな調理法があり、『完全栄養食』と呼ばれるくらい栄養価の優れた食品です。また、安価で入手もしやすいです。

卵は『完全栄養食』栄養素と期待できる効果を解説。これを知ったら卵を食べない理由が分からない!

 

コレステロールが多く含まれているので、卵を控える人は少なくないです。しかし最近の研究では、卵を毎日食べても、血糖値やコレステロール値に影響せず、心血管疾患のリスクも上昇しないことが分かってきています。卵は11個まで!というのも、もはや昔の話です。

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【卵を11個食べると心血管疾患のリスクが低下】

卵を11個、毎日食べると、心血管疾患のリスクが低下するという研究が発表されています。心血管疾患(CVD)は世界的に主要な死因となっており、中国では日本と同じように、虚血性心疾患と脳卒中(出血性および虚血性)が多いです。

 

以下の研究は、中国の北京大学医学部が行いました。「中国 カドーリ バイオバンク(CKB)」研究は、英国との共同研究として実施されているゲノムコホート研究。中国の10の地域から3079歳の成人512,891人が参加しました。

研究チームは、がんや心血管疾患、糖尿病と診断されたことのない416,213人を対象に、脳卒中や心臓発作の発生状況を9年近く追跡して調査しました。参加者の13.1%は卵を1日に平均0.76個食べており、9.1%は卵を1日平均0.29個食べていました。

 その結果、毎日1個程度の卵を食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、出血性の脳卒中を起こす確率が26%低いことが分かりました。出血性脳卒中で死亡するリスクも28%低かったです。また、卵を週に5.32個食べている人は、週に2.03個食べている人に比べ、心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが12%低くなっていました。

 「卵を1日に1個程度食べると、心血管疾患のリスクが低下することが分かりました。50万人以上という大規模な調査で明らかになった意義は大きい」と、北京大学健康科学センターのキャンツィン ユゥ氏は言っています。

 

 

2型糖尿病の人は卵を毎日食べても大丈夫?】

 2型糖尿病の人は、卵を11個毎日食べても、血糖値やコレステロール値に影響せず、2型糖尿病のリスクも上昇しないという研究を東フィンランド大学が発表しました。

 研究チームは、4260歳の男女2,332人を19年間追跡して調査しました。その結果、卵を11個毎日食べても2型糖尿病の発症は上昇しなかったです。239人の血液を詳しく調べたところ、卵を食べていた人では血液中に有益な生理活性物質が増えていました。

 卵の黄身の色素成分であるカロテノイドやコリンなどの脂質には、インスリン抵抗性を抑制したり、抗酸化作用があり炎症を抑制するなど有益な作用があるという。

 日本人を対象としたコホート研究である「JPHC研究」でも、卵を1日に1個以上食べても、糖尿病発症リスクは上昇しないことが示されています。

 JPHC研究では、卵の摂取頻度と心筋梗塞の発症リスクの間に関連がみられないことも示された。「心筋梗塞を予防するために卵の摂取を制限した方が良い」といった話には根拠がないことが示唆されました。

 ただし、バターやチーズ、赤身の肉、ベーコンやハムなど、動物性の脂に多く含まれる飽和脂肪酸は、体内で悪玉のLDLコレステロールを増やす作用があります。心臓疾患を予防するために勧められるのは、イワシ、サバ、サンマといった青魚に含まれる不飽和脂肪酸や、精製されていない全粒粉などの炭水化物だと言います。

 

 

【卵と心筋梗塞は関係があるのか?】

今回の研究では、研究開始時に行った約50項目の食事調査を含む生活習慣に関するアンケート調査(初回調査)の結果を用いて、卵摂取頻度(ほとんど食べない、週12日、週34日、ほとんど毎日)によるグループ分けを行いました。そして、その後約10年の追跡期間に発症した心筋梗塞のリスクを、グループ間で比較しました。

 

分析の対象となったのは、それまでに循環器疾患にかかったことがなかったなどの条件を満たす合計約9万人(男性43,319人、女性47,416人)のデータです。追跡期間中に462人の心筋梗塞を確認しました。その約8割が男性でした。また、その内120人が亡くなりました。

 

【卵摂取は心筋梗塞発症リスクと関連しない】

卵を「ほとんど毎日食べる」グループに比べ、他の3つの、より摂取頻度の少ないグループで心筋梗塞発症リスクが低くなっているかどうかを調べました。その結果、卵を食べる回数が少ないほど心筋梗塞リスクが低くなるというわけではありませんでした。

 

むしろ、卵をほとんど食べないグループで、心筋梗塞のリスクがやや高くなっていましたが、統計学的に有意ではありません。このグループの特徴として、血清総コレステロール値の平均値が他のグループに比べて高く、また、コレステロールの多い食べ物を意図的に避けていると答えた人やコレステロールを下げる薬を飲んでいる人の頻度も多いことが挙げられます。今回の研究では、これらの条件や、喫煙、飲酒、高血圧など、心筋梗塞に関連する別の要因の影響を出来るだけとりのぞいてリスクを算出しましたが、それでも、いずれかの影響が残ったかもしれません。

 

【血清総コレステロール値は心筋梗塞発症リスクと関連する】

次に、初回調査時に健康診査データをご提供いただいた約36%の方について、血清総コレステロール値によって5グループに分け、心筋梗塞発症リスクを比べました。その結果、総コレステロール値が高いほど、心筋梗塞リスクが高くなっていました。総コレステロール値が180mg/dL未満の人に比べると240mg/dL以上の人の心筋梗塞リスクは2倍でした。

 

血清総コレステロール値が高ければ高いほど、心筋梗塞の発症リスクが高くなることは良く知られていますが、この研究でも改めて確認することが出来ました。心筋梗塞予防という観点からは、総コレステロールを低く保つことが重要です。

 

一方、コレステロールを多く含む食品である卵の摂取頻度と心筋梗塞の発症リスクの間には、関連が認められませんでした。したがって、この研究では、心筋梗塞予防のために、卵の摂取を制限する根拠は得られませんでした。

 

今回の研究では、卵をほとんど毎日食べているグループで他のグループに比べ平均値が高くなっていませんでした。その理由としては、卵の摂取量の少ないグループに、もともと、健康診査などで総コレステロール値が高かったために、健康のために卵の摂取頻度を減らした人たちが少なからず含まれ、その影響が現れた可能性があります。

 

血清総コレステロール値は、動物性脂肪など、卵以外の食品を多く食べても上昇します。また、遺伝的な体質によっても影響を受けることがわかっています。まず、血清総コレステロール値や、最近直接測定できるようになった悪玉(LDL)コレステロール値について検査を受け、その結果に基づいて適切な指導や治療を受けることが大切です。

 

【まとめ】

 卵は栄養価も高く、様々な料理にも使いやすい食材です。卵を11個取ることで、心血管疾患のリスクも低下しますし、懸念されていた糖尿病患者でも卵を摂取しても大丈夫でした。心筋梗塞の予防との関連性はありませんでしたが、卵を取りすぎることによってコレステロール値が上昇することもありません。卵は手軽に入手できることからも、毎日12個を摂取するのが健康維持には良いのでしょう。卵を摂取する際には、「カラザ」と呼ばれる白い筋や卵白もしっかり摂っていきましょう。

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カテゴリー: 卵(たまご)の話

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